“お互い様だから大丈夫”―育児と看護を支え合える、大久保病院という場所
建築を学んだ学生時代から一転、やっぱり看護師になりたいと決意し、看護の世界に飛び込んだTさん。大学病院のNICUでの勤務を経て、出産・育児を機に兵庫県明石市へ転居。現在は大久保病院の地域包括ケア病棟で、患者の在宅復帰を支える日々を送っています。
子どもの体調不良、急なお迎え、職場への申し訳なさ─そんな日々のなかで彼女を支えたのは、“お互い様”という言葉でした。看護師として、母として働く彼女の想いに迫ります。
＜目次＞
・やっぱり看護師になりたい。
・大久保病院を選んだ理由
・地域包括ケア病棟でのやりがい
・子育てしながら働ける環境
・メッセージ
やっぱり看護師になりたい。建築からの転身
看護師になりたいという気持ちは、実はずっと心の中にありました。小学生の頃、祖母が入院していた時期があり、お見舞いに行く機会がありました。中学生の頃には「看護師っていい仕事だな」とぼんやり考えていました。
でも高校卒業後は父の影響もあって建築系の短大に進学して、インテリアなどを学んでいました。ただ、いざ就職を考えたときに、「やっぱり看護師になりたい」という気持ちが戻ってきて。そこから進路を切り替えて、看護専門学校に進学しました。
NICUでの3年間。小さな命と向き合いながら学んだこと
新卒で就職したのは兵庫県内の大学病院で、NICUに配属されました。小さな赤ちゃんたちの命を預かる現場で、約3年間働きました。そこでは新生児が相手で、振り返ってみると家族との関わりの方が多かったように感じます。ご家族の不安に寄り添い、親御さんの気持ちを考えながら言葉を選んで丁寧に説明する力が自然と身についたと思います。
3年間勤務した頃、結婚と妊娠、そして引越しを機に退職することになりました。
“お迎えコール”に泣いた日。それでも「お互い様だから」と言ってくれた職場
引越し先の明石市で、新たな職場として選んだのが大久保病院でした。子育てに理解がある職場という噂を聞いていたのと、自宅からも通いやすかったのが決め手でした。
ただ、実際に働き始めてすぐ、子どもが保育園に通い始めたばかりだったので、しょっちゅう体調を崩してしまって…。出勤してもすぐに「お迎えに来てください」と電話がかかってきて、職場に迷惑をかけてしまうことが本当に申し訳なくて、思わず涙を流してしまったこともありました。
でも、そのとき周りの先輩スタッフの方が「子どもが小さいうちは、よくあることだよ」「お互い様だから大丈夫だよ」と温かく声をかけてくださって、本当にありがたかったのを覚えています。
患者さんとじっくり向き合える。地域包括ケアのやりがい
今は地域包括ケア病棟（3階南病棟）で働いています。整形外科疾患の術後で在宅復帰を目指す方や、自宅などで転倒してしまって入院された高齢の方など、いろんな背景を持つ患者さんがいらっしゃいます。
ここでの看護師の役割として、退院支援はとても大事な役割だと考えています。患者さんが期限内に、安心して、適切な場所に戻れるように、ソーシャルワーカーやリハビリスタッフといった多職種と連携して支援していく。無事に退院を迎えられたときには、「よかった」と心から思いますし、やりがいも感じています。
NICUの頃と比べると、求められる知識や看護技術も幅広く、最初は戸惑うことも多かったのですが、中途入職者にもプリセプターが付いてくれて丁寧に指導していただきました。看護師としての幅が広がったと感じます。
子育てしながら働ける。だから、私も誰かを支えたい
子どもが2人いて、今も育児と仕事を両立しています。夫が土日休みなので、私はできるだけ土日に夜勤を入れるようにして、家族で協力しながら働いています。シフトは柔軟に対応してもらえますし、急に子どもが熱を出したときにも、休ませてもらえる環境が整っています。土日でもお休みの希望を出せば、柔軟に調整をしていただいています。
お迎えの時間があるので、それまでに業務を終えられるように時間管理は特に意識しています。私の場合は、残業せずに帰らなければいけないですが、周りのスタッフも声をかけてくれるなど、協力的です。また、子どもの体調不良で休むこともあるので、自分自身の体調管理には十分気をつけるようにしています。
自分が周りに支えてもらった経験があるからこそ、今度は私が誰かをサポートしたいという気持ちが強くなりました。同じように子育てをしながら働いているスタッフがたくさんいるので、お互いに助け合える関係性ができていると感じます。
“あなたが担当でよかった”と言われる看護師でありたい
将来のキャリアについて、今はまだはっきりとした目標があるわけではありません。以前、退院支援に関わらせていただいた患者さんから「あなたが担当でよかった」と言ってもらえたことが忘れられなくて、これからも、そう思ってもらえる看護師でありたいなと思っています。
大久保病院は、子育てしながらでも安心して働ける職場です。時短勤務の方も多いですし、夜勤をするスタッフには保育料の補助など福利厚生も充実しています。私自身も2人目の育休から復帰したとき、「待ってたよ」と温かく迎えてもらえて、本当にありがたかったです。
子育てと看護、どちらも大切にしたい方には、きっと心強い職場だと思います。
（写真・インタビュー・文：MottoBrand 福井勝雄）
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